室内で熱中症に・・・。
熱中症は非常に身近にある症状の為、あまり警戒心をもたれることが見られませんが、じつは命にも関わりうる危険な症状です。
熱中症と言ったら、どんなイメージを持つでしょうか。灼熱の屋外に数時間いることが原因で、起きると想像している人が多いようですが、実はこの症状、部屋の中にいても発生する可能性があります。
自宅で熱中症なんて聞いた事ないと思われるかもしれませんが、実際に毎年何人もの人が屋内で熱中症を発症し医療機関に搬送されています。
重篤な場合は意識不明の重体になることも少なくありません。決して珍しいケースではないといえます。日本のどこにいても起こりうる、油断してはいけないわけです。
それでは、なぜ室内で熱中症が起こるのでしょうか。熱中症が起こるプロセスを認識することが大切だと考えます。
普段、人間のカラダは汗によって体温を35〜37度に調節しています。これが人間の生体機能を正常に保てる温度帯です。
しかし、気温が高すぎると、この温度調節機能が追いつかなくなるといった事態が生じます。温度調節機能が十分でないと、体温は周りの気温に応じて徐々に上昇していくと考えます。
さらに、この仕組みの恐ろしい点は、体温が上がりすぎるとカラダの温度調整機能そのものが低下してしまうという点です。
要するに、一度このシステムがおかしくなってしまうともはやカラダは体温を適温に保つ事ができなくなってしまうのです。
体温が41度をオーバーするとカラダを構成するタンパク質が変性してしまい、不可逆的なダメージを食らいます。すなわち、室温が体温より高ければ、建物の中にいても熱中症になるおそれはあり得ます。
その温度が高ければ高いほど危険度が増す事は言うまでもありません。